「歯医者で治療を受けてから、噛み合わせがおかしくなった」
「噛んだときに痛みがある」
「噛んだときに歯が動いている」
このようなお悩みはございませんか?
私たちの口は頭蓋骨とつながって固定された上顎と、顎関節からブランコのようにぶら下がった下顎から構成されています。下顎が複雑な動きを行い、顎の骨に埋まった歯の間に食物が入ることによって食べ物を咀嚼して塊を作り、舌を使って飲み込みます。
この上下の顎と歯が噛んだ状態を「咬合」といいますが、歯の形や顎関節の状態によってはこの咬合に異常が起こり様々な障害を引き起こす可能性があります。
この咬合に関しては日本ではいまだに様々な考え方があり、結論が出ていない部分もありますが当院では米国のコンセンサスに基づいて咬合を考えています。
生理的咬合
日常生活のおいて特に機能に問題がなく、歯や顎全体の口腔系に調和している咬合のことです。歯並びが不整であったり上下の噛み合わせが正常でなくても、特に問題なく機能していれば生理的咬合といえます。
病的咬合
日常生活に支障をきたしたり、歯や顎全体の口腔系に悪い影響を与えるような咬合のことです。天然の歯が病的咬合を起こす可能性は少ないですが、歯に修復物を装着したり噛み合わせが変わることによって病的咬合を引き起こす可能性があります。
病的咬合を治療するためには咬合の診査を行い、原因を特定してから対処する必要があります。歯は一度削ると2度と元には戻らないため、とりあえず噛み合わせを調整したりよくわからないからとりあえず神経を抜く、というようなことがあってはなりません。
顎関節症
顎を動かした時に音が鳴ったり、痛みが生じる状態を「顎関節症」といいます。
日本においては、顎関節症の原因ごとにいくつかのタイプに分類されています。
Ⅰ型:咀嚼筋痛障害→筋肉の緊張や炎症によるもの
Ⅱ型:顎関節痛障害→靭帯の障害や外傷によるもの
Ⅲ型:関節円板障害→顎関節のクッションである関節円板にズレが生じているもの
a.復位型・・・ズレているが運動時には元の位置に戻る。関節音が鳴る。
b.非復位型・・ズレており運動時に元の位置に戻らない。痛みや開口障害を生じる
Ⅳ型:変形性顎関節症→顎関節の骨自体が変形している
基本的に顎関節症は自然に治癒することが多いのですが、筋肉を安静にするためにスプリントといわれるマウスピースを入れたり痛みに対して消炎鎮痛薬を使用する場合もあります。
顎関節症がある状態では顎をうまく動かすことができず、歯の噛み合わせを変えたり大規模な修復治療を行うことができないので顎関節症の治療が優先となります。
顎関節症にお悩みの方や何か気になることがございましたら、当院までご相談ください。